生徒指導部長として、どのようなことをされていますか?

始業式など全校生徒が集まる機会や、毎月発行する生徒指導部通信を利用して、学校生活全般の指導をしています。具体的には、「おはようございます」「こんにちは」などの挨拶、規則や時間をちゃんと守れているか、電車のマナーができているかなどの指導をしています。遅刻が多いなど、問題のある生徒には個別に話を聞いて、一緒に改善策を模索することもあります。

指導では、重点目標を定められているそうですね。

生徒たちに大切にしてほしい3つの項目を、重点目標として定めています。
・挨拶をしよう
・管理棟周辺は来客も多いので、静かにしよう
・教室をきれいにし、気持ちよく学べるようにしよう
この目標は、先生も同じです。「挨拶をしよう」と指導する先生が、小さな声で挨拶しているようでは、生徒も付いて来てくれません。

先生は、挨拶の大切さをどのようにお考えですか?

私は、生徒たちが賢明を卒業してからも、自分の周りの人々を幸せにする女性であってほしいと考えています。その方法は、にっこりほほ笑んだり、困っている人に声をかけたりと、たくさんあります。中でも、挨拶は基本中の基本。社会でも必須のものです。生徒たちが今なぜ勉強を頑張っているかといえば、社会に出て人の役に立つため。私が教えている挨拶やマナーは、まさにそのためのベース。社会に出て、各自の目標を達成し、役立つ人になるためには、挨拶は身に付けておかなければなりません。

先生も賢明出身。在学中には、走り幅跳びで全日本チャンピオンになられたとか。

高校在学中に、日本陸上競技選手権大会で優勝しました。子どもの頃から陸上が大好きでしたが、それほどまでに頑張れたのは、目標ができたから。高校1年生のときに賢明の先生から、スポーツに力を入れている筑波大学への進学を勧められ、どうしても行きたいと思うようになったのです。入学するためには、国体やインターハイでの優勝に加えて、学校の勉強もがんばる必要がありました。以前は「今日は練習をさぼろうかな」と思う日もありましたが、目標ができてからは毎日必死で練習しました。結果的に、全日本チャンピオンになり、志望校へ入学することができました。目標の力はすごいなと肌で感じました。

「目標を持つ力」については、生徒にも伝えていらっしゃるのですか?

生徒にも、何事も目標を持って取り組むように伝えています。大きな目標に加えて、短いスパンで達成できる小さな目標を設定することが大切です。なぜなら、大きな目標だけでは漠然とし過ぎていて、具体的に何をすればいいかわからないからです。たとえば看護師になるという目標があるのであれば、まずはどんな科目を勉強しなければいけないのかを考えます。もし自分が生物の勉強ができていないのなら、そこを重点的に取り組まなければいけません。また、看護師になるには、他人の気持ちを理解できる人である必要があります。そうなるためには、家のお手伝いをして、お母さんの気持ちを察してみるなど、日常の中でもできることはいろいろあります。各自が自分の目標について、「逆算して、今、何をすればいいか」「どの時期にどんな状態になっておけばいいか」を考え、大きな目標に着実に近づいていってほしい。目標に向かってがんばることで、将来の道が開けると思います。

賢明とは、生徒にとってどのような場所でしょうか?

挨拶やマナーを大切にする賢明は、生徒たちにとっても居心地のいい場所。卒業してからも、多くの教え子たちが頻繁に学校へ遊びに来てくれます。帰りたいと思える場所があることは、幸せなことですね。

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